ギタリストが陥る〈スランプ〉について
ギターを長年練習していると、初心者の頃に比べて、大きく上達を感じられなくなる時期がやって来ます。
ギターを始めたばかりの初心者の頃は、上達を実感するために必要な練習量は多くはありません。しかし中級者や上級者になるにつれて、上達を実感するために必要な練習量が増えて行きます。
いわゆる〈スランプ〉と呼ばれる伸び悩みの原因の一つは、必要な練習量と行える練習量が釣り合っていないことと言えるでしょう。
イヤトレで〈スランプ〉にアプローチする
今回は〈スランプ〉と言われるような伸び悩みを解消するためのアプローチの一つとして、イヤートレーニングを紹介します。
練習量というのは、練習時間とイコールではなく、同じ練習時間であっても、練習の質と効率を上げることで増やすことができます。
そして、この練習の質と効率を上げるために、イヤトレが非常に役に立ちます。
イヤトレを通して身につく音感とは、簡単に言うと「音の高低差を素早く正しく認識する能力」です。
曲やフレーズや基礎練習、コードバッキングなど、ギターで行う練習のほぼ全てには、音の高低が関わって来ます。
速く正確に弾く、どんなテクニックを使うか、どんなアーティキュレーションで弾くのかなど、楽器的な練習をするためには、その前に、練習する対象の音の高低やリズムを正しく把握する必要があります。
音感が不十分だと、フレーズを練習しているうちに元の形を忘れてしまったり、十分な把握ができないまま、フレーズの把握と楽器的な練習を同時並行で進めざるを得ないことが多いです。
初心者や中級者の方の練習では、何度もTAB譜を追ってある程度弾けるようになるまで、自分が練習しているフレーズの正しい形が把握できなかったり、練習しているうちにどんなフレーズの練習なのか曖昧になってしまうことも多いと思います。
譜読みと楽器的な練習が混ざった状態で練習を進めることとなり、効果的な練習を行うのが難しくなってしまいます。
音感が十分に身に付いていれば、練習する対象の正しい形を素早く把握することができるので、楽器的な練習により多くの時間を使うことが出来ます。
別の言い方をすると、多くの方は音源や譜面から正しいフレーズの形を読み取ることに多くの時間を使い過ぎているとも言えるでしょう。
イヤトレで音感を身につけることで、よりロスやストレスがなく、効率的な練習を行うことができます。その結果、同じ時間でもより多くの練習ができるようになります。
ギタリストの〈スランプ〉脱出のためのアプローチの一つとして、イヤトレはとても効果的であると思います。
ぜひ普段の練習にイヤートレーニングを取り入れてみて下さい。
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