ギター歴が長い方でも、「音感に自信がある」という方はかなり少ないのではないでしょうか。
今回は、音感にあまり自信がない方でも、独学で取り組めるイヤートレーニングについて書いていこうかと思います。
イヤートレーニングには様々な方法がありますが、私は「ソルフェージュの視唱と聴音」を中心に進める事をおすすめしています。
耳を鍛えるとなると、つい好きな曲の耳コピから挑戦したくなるものですが、基礎を飛ばして最初から耳コピをするのはかなり難しく、イヤトレへの苦手意識を強くしてしまうのではないかと思います。
当然のことですが、一般的な曲はイヤトレの教材として作られている訳ではないので、適切な難易度であることは非常に稀です。
また、その曲の難易度を判断することもとても難しいと思います。
よほど耳に自信がある方以外は、しっかりと基礎から積み上げていくのが一番ストレスのない方法だと思います。
イヤトレを始めるにあたって、まず取り掛かるべき練習として「ソルフェージュの視唱」をおすすめします。
「視唱」とは譜面を見て、そこに書かれた音符を正しい音程とリズムで歌っていくことです。
基本的には階名(移動ド)を用いて歌っていくことをおすすめします。
譜面を歌い、音程と階名を結びつけて自分の中へインプットしていくことで音感の基礎を作っていきます。
これは実際にやってみないと分かりずらいのですが、歌うという行為は音感の形成においてはアウトプットよりも、かなりインプット寄りの作業になります。
一方で、音の聞き取りと記譜をしていく聴音は、インプットよりアウトプットに近い作業となります。ですので、聴音よりも先に視唱に手をつけることをおすすめします。
どなたでも小さい頃、たとえば漢字の練習をする際に、ドリルに何回も書き込んで覚えていった経験があると思います。あの時の、何度も書くことで漢字の形や書き順、読み方などを自分になじませて、様々な漢字を自然と習得していった過程を思い出してもらえると、ここで言うインプットの感覚をイメージしやすいと思います。
次回は視唱に使う教本と、必要な道具の紹介をしていきます。
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